鳥さん天国 -Chronicles of bird paradise-

野鳥大好き人間が暮らしたインドとインドネシアで出会った鳥たちを紹介しています。

Bronze-winged Jacana アジアレンカク (インドの鳥その75)

前回のレンカクに引き続いて、インドで見られるそのお仲間を紹介します。

アジアレンカク Bronze-winged Jacana (Metopidius indicus)  です。

レンカクもアジアレンカクもチドリ目レンカク科の鳥で、インドにいるレンカク科はこの2種だけです。属名も異なっており、両種とも一属一種の鳥です。アジアレンカクは、アジア南部で広く見られ、インドにも北部と西部を除き分布していますが、パキスタンとスリランカにはいません。レンカク科は世界に8種類生息しており、アジアにはレンカクとアジアレンカクの2種、オセアニアに1種、アフリカに3種、中南米に2種います。

デリー近郊の湿地でもわりと普通に見られます。

水草の繁っている湿地にアジアレンカクがいました。体全体が黒っぽく、白い眉と黄色いくちばしが目立ちます。胸のあたりは光沢ある紫色です。雄と雌とはよく似ていて、雌のほうが大きいそうです。

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水草の上を渡りながら餌を探しているようです。

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赤褐色の腰が見えます。大きな趾です。

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近くに幼鳥がいました。アジアレンカクもレンカクと同じく一妻多夫で、一羽の雌が複数の雄とつがい、抱卵、育雛は雄の役目です。写真の幼鳥の近くにいる成鳥は父親なのでしょう。

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アジアレンカクはまだ日本では記録がないようです。レンカクは台湾やフィリピンにもいますが、アジアレンカクはインドシナ半島より東にはいないので、分布域が日本より遠いためなのでしょう。