前回のレンカクに引き続いて、インドで見られるそのお仲間を紹介します。
アジアレンカク Bronze-winged Jacana (Metopidius indicus) です。
レンカクもアジアレンカクもチドリ目レンカク科の鳥で、インドにいるレンカク科はこの2種だけです。属名も異なっており、両種とも一属一種の鳥です。アジアレンカクは、アジア南部で広く見られ、インドにも北部と西部を除き分布していますが、パキスタンとスリランカにはいません。レンカク科は世界に8種類生息しており、アジアにはレンカクとアジアレンカクの2種、オセアニアに1種、アフリカに3種、中南米に2種います。
デリー近郊の湿地でもわりと普通に見られます。
水草の繁っている湿地にアジアレンカクがいました。体全体が黒っぽく、白い眉と黄色いくちばしが目立ちます。胸のあたりは光沢ある紫色です。雄と雌とはよく似ていて、雌のほうが大きいそうです。
水草の上を渡りながら餌を探しているようです。
赤褐色の腰が見えます。大きな趾です。
近くに幼鳥がいました。アジアレンカクもレンカクと同じく一妻多夫で、一羽の雌が複数の雄とつがい、抱卵、育雛は雄の役目です。写真の幼鳥の近くにいる成鳥は父親なのでしょう。
アジアレンカクはまだ日本では記録がないようです。レンカクは台湾やフィリピンにもいますが、アジアレンカクはインドシナ半島より東にはいないので、分布域が日本より遠いためなのでしょう。