鳥さん天国 -Chronicles of bird paradise-

野鳥大好き人間が暮らしたインドとインドネシアで出会った鳥たちを紹介しています。

Plain Mountain Finch ハイイロマシコ(北インドの鳥その38)

インド北部ウッタラカンド州ウッタラカシの高山性のフィンチの続きです。

3月の葉が落ちて明るくなっている灌木林です。灰色の地味目のフィンチがとまっています。ハイイロマシコ Plain Mountain Finch (Leucosticte nemoricola)のようです。これも標高の高いところに行かないと見られない種です。

近くにハイイロマシコが何羽も見えます。背に茶色や黒色、白色の縦斑があります。全長は15㎝の小さいヒワです。

他にもいますね。雄と雌でしょうか。成鳥のオスとメスはほぼ同じ色合いのようです。ハイイロマシコは、インドではヒマラヤ地域で見られる留鳥で、繁殖期は高山の斜面にいますが、非繁殖期の今頃は下がってきて開けた森林や耕作地に、時には数百羽の群れで集まるそうです。

頭に赤みがある個体が見えます。これは昨夏に生まれた若鳥です。

ハイイロマシコは、中央アジアの高山地域に分布しています。

Blyth's Rosefinch ヒマラヤマシコ(北インドの鳥その37)

インドウッタラカンド州の北部のウッタラカシのマシコの仲間の続きです。

石がごろごろの藪のそばに、岩の陰から顔をのぞかせているピンクの小鳥がいました。大きな嘴は、ヒマラヤマシコ Blyth's Rosefinch (Carpodacus grandis) です。淡いピンク色の眉と顔、胸から腹がきれいな雄です。全長は18㎝で大型のマシコです。

高山の針葉樹林帯や森林限界にすみ、冬には下に降りてくるといいます。ウッタラカシは、そこそこ標高が高いのですが、3月のこの頃だと、これからもっと高いところへ移動するのでしょうか。

以前はヒゴロモマシコ Red-mantled Rosefinch (Carpodacus rhodochlamys)とされていたのですが、現在は分類が見直されて種名が変わり、ヒゴロモマシコから分かれたようです。

ヒマラヤマシコは、中央アジアとヒマラヤ西部に見られ、インドでは、西北の端のジャムカシミール、ヒマチャルプラデシュとウッタラカンド州で見られるようです。この鳥もここら辺の高いところまで来ないとみることが難しい鳥です。

 

Himalayan Beautiful Rosefinch ヒマラヤコウザンマシコ(北インドの鳥その36)

手元のインドの図鑑では、アトリ科 Carpodacus(オオマシコ属)の鳥は13種記載されています。このうちアカマシコ(Common Rosefinch)以外の12種はインド北部ヒマラヤ地方のみに分布している「北インドの鳥」です。

アカマシコについてはこちらから見られます。⇒

https://indoburung11.hatenablog.com/entry/2022/07/19/234621

前回のフタスジマシコに続き、今回は同じRosefinchである、

ヒマラヤコウザンマシコ Himalayan Beautiful Rosefinch (Carpoducus pulcherrimus)を紹介します。

3月のインド北部ウッタラカンド州のウッタラカシです。棘の多い灌木の茂みの中に、ほんのりとピンク色のかわいらしいヒマラヤコウザンマシコの雄がいます。全長15㎝。雄は淡いピンク色の眉斑と顔、下面、腰が特徴的です。

雌もいます。全身灰褐色で細かい縦斑が多いです。ややピンク色がかっても見えます。

正面顔。痛そうな棘がたくさんついている枝にとまってこちらを向いています。

英名のBeautifulというのは、学名の種小名pulcherrimus(ラテン語で形容詞「美しい」の最上級の意)からつけられていると思います。

インド、ネパール、ブータンのヒマラヤ地方に留鳥として分布し、中国やモンゴルでも見られます。

ヒマラヤの高いところで繁殖しますが、冬季は下に降りてくるので、こうした鳥を見られるのが楽しみとなります。

 

Spot-winged Rosefinch フタスジマシコ(北インドの鳥その35)

インド北部ウッタラカンド州の北のウッタラカシです。村のはずれの藪の中に少しごっつい感じのフィンチがうごめいてました。幅の広い白みがかったピンク色の眉斑が目立っています。フタスジマシコ Spot-winged Rosefinch (Carpodacus rodopeplus)です。雄です。

嘴が太いですね。上面は暗い色をし白い斑があります。下面はピンク色です。どうやらこの絡まった蔓についている実を食べているようです。

雌は見えませんでしたが、全体が茶褐色で暗色の縦斑が密にあり、淡色の眉斑が目立ちます。

フタスジマシコは、インド北部のヒマラヤとネパールのみに留鳥として分布し、こうしたごちゃごちゃした藪を好むようです。インド亜大陸の固有種といっていいでしょう。標高の高いところに足を延ばすとこのような珍しい鳥に出会えるのもインドでの鳥見の魅力です。

Snow Pigeon ユキバト(北インドの鳥その34)

3月にインド北部ウッタラカンド州の北の方のウッタラカシ地方で鳥を見に行きました。標高3000mほどのあたりのやや開けたところにあった大きな岩の陰で、スコープで探していたところ、ふいに、バサバサッとものすごい羽音がして、たくさんのハトが自分のいた岩の近くに飛び降りてきました。

なんと、ユキバト Snow Pigeon (Columba leuconota)の群れでした。ハヤブサに追われて慌てふためいて、近くの藪に降りてきたようです。ハト達は興奮して体が震え、ひくひくと荒い息をしているのが伝わってきました。距離が近かったので、スコープを通したデジスコではこのようなケラレが避けられませんでした。

ユキバトは、灰黒色の頭と尾羽が襟から胸、腹にかけてのきれいな白色とのコントラストがきれいです。虹彩は金色です。しばらくして安全を確かめたのか、開けたところへ出ていき採食を始めました。20羽以上はいそうです。特徴ある灰黒色と白色の尾羽がよく見えます。

ユキバトは、インド亜大陸では、北部パキスタンからヒマラヤ沿いに北東部のアルナチャルプラデシュ州にかけて留鳥として生息しています。夏は標高3000~5200mほどのところで繁殖し、冬は標高1500mくらいまで下りてきます。図鑑によると、降雨量の多い山地の崖や渓谷を好むようです。

世界的には、アジア中央部の山地に生息しています。

ハヤブサのおかげで大変珍しいハトを見ることができ、とても興奮しました。

Collared Falconet モモアカヒメハヤブサ(北インドの鳥その33)

インド北部のウッタラカンド州はネパールの西の隣にある州です。その西部にあるコルベット国立公園は、ベンガルタイガーの保護区として有名です。2月にここを訪れました。もちろん、ゾウの背中に乗ってトラを探し、数頭のベンガルタイガーに遭遇しました。野鳥の観察の時は、ジープに乗ります。園内ではトラの危険を避けるため、ジープを下りることはできません。

背の高い枯れ木に小さなハヤブサがとまっていました。デジスコで写真を撮るため、ジープの荷台からプロミナーの三脚の脚を1本だけ地面につけ、プロミナーに装着したコンデジで何とか撮影しました。

Collared Falconet (Microhierax caerulescens) モモアカヒメハヤブサです。以前の英名は、Red-legged Falconet、和名もそこから来ています。全長18㎝、世界最小クラスのハヤブサです。その名のとおり、腿を含めた下面は赤褐色です。目から後方に伸びる帯がハヤブサらしい精悍な顔つきを引き立てます。

後ろ姿は英名のとおり、白い襟collarが目立ちます。

昆虫の他、小鳥やトカゲを餌にします。こうした見晴らしの良い木の枝から獲物を探しているのでしょう。

顔をぐるりと回して周囲を見渡します。小さいながら獰猛な性格がうかがえます。

モモアカヒメハヤブサは、ヒマラヤ西部からミャンマー、インドシナにかけて分布し、インドでは、ヒマラヤと東部のオリッサ州北東部に留鳥として見られます。

Saker Falcon ワキスジハヤブサ(北インドの鳥その32)

インド北西部のラダックは中国やパキスタンとの国境に近く、入域には特別の許可が必要です。標高5328mの峠を越えて、荒涼とした岩山を見ながら歩いていました。ふと、見上げると岩の上に大きなハヤブサが止まっています。

ワキスジハヤブサSaker Falcon (Falco cherrug)です。

 

絶滅危惧種の希少なハヤブサです。近くには巣があるようです。あたりを警戒しているんでしょうか。とても貫禄がありますね。

胸から腹にかけて茶褐色の縦斑があります。図鑑によると、全長は50~58cm。ハヤブサの全長は38~51cmですので、ハヤブサより一回りくらい大きいですね。

ワキスジハヤブサは、インドではラダック地方で繁殖しており、冬鳥として西部のグジャラト州や、インドの北部に見られる地域が点在しているようです。この後ですが中国の青海省で見たことがあります。世界的には旧北区に広く分布しています。

日本では2008年に宮古島で観察されたようですが、日本鳥類目録第8版では、記録についての明確な文献がないとして、検討中の種として除外されています。

高山病の恐れを警戒しながらの探鳥で、こうした珍しいハヤブサが現れてくれ、とても興奮しました。