鳥さん天国 -Chronicles of bird paradise-

野鳥大好き人間が暮らしたインドとインドネシアで出会った鳥たちを紹介しています。

Pheasant-tailed Jacana レンカク (インドの鳥その74)

インドでは、日本ではとても珍しいと思っていた鳥に会えることが良くあります。

レンカク Pheasant-tailed Jacana (Hydrophasianus chirurgus) もその一つです。

50年前に、新聞記事で茨城県の涸沼にレンカクが現れたことを知り、いつか見てみたいと思ったものでした。当時使っていた保育社の原色日本鳥類図鑑(いわゆる「小林図鑑」を見直すと、「1955年に福岡県で1羽捕獲された」のが当時日本での唯一の記録とされてます。今年(2020年)も涸沼に現れたとのニュースがあったようです。

レンカクは、アジア南部に広く分布し、インドでも、浮草の多い湿地に割と普通に見られるようです。ただ、私の地元であるインド北部のウッタラカンドでは見られませんでした。

写真は、前回のベンガルハゲワシを見たところの近くにあるグジャラト州の湿地です。車で移動している途中、車内から見つけました。繁殖期の5月の成鳥です。白い頭と首の後ろの金色の羽毛がきれいです。ハスの葉の上を歩くのに都合の良い長い趾がよくわかります。

f:id:indoburung11:20200808162608j:plain

 

レンカクは、一妻多夫の繁殖様式を持つ鳥で、雌が10羽くらいの雄とつがい、抱卵と育雛は雄の役目だそうです。雄と雌はほとんど同じ色合いをしており、雌のほうがやや大きいとのことです。

f:id:indoburung11:20200808162627j:plain

 

写真ではわかりませんが、翼角にはツメバゲリのような爪があります。また、初列風切の最外側の羽が長く伸びて2㎝くらいのラケットのようなへら状になるとのことです。

f:id:indoburung11:20200808162649j:plain

 

長く伸びた尾羽を立てて泳いでいます。尾羽中央の2枚が長く伸びていると図鑑に書かれています。首の後ろの金色の羽毛がなびいていますね。改めてこの写真を見ると、尾羽の根元付近右側と左側に、それぞれ風切羽からすっと伸びている細い羽が見えますが、もしかしたらこれが初列風切最外側の羽の先に伸びるへら状の羽ではないかと思います。

f:id:indoburung11:20200808162713j:plain

 

レンカクはほれぼれするような美しい鳥ですが、わりと警戒心が強いようで、あまり写真が撮れなかったのは残念でした。