インドの鳥、前回のカンムリオウチュウに引き続いてオウチュウの仲間を紹介します。
カザリオウチュウ Greater Racket-tailed Drongo (Dicrurus paradisous)です。
頭に大きな飾り羽の冠があり、嘴が大きいです。全長は32㎝で、カンムリオウチュウとほぼ同じです。
尾羽は大きく、フォーク状に裾が広がっています。尾羽の両端から体の長さより長い2本のワイヤが垂れ、その先にはねじれた大きなラケットが付いています。残念ながらこの個体はラケット付きのワイヤが取れています。こうした、ワイヤの失われた個体は多いようです。
ちなみにオウチュウという名前はどこから来たのかと思い中国の図鑑を見ると、オウチュウ属を「巻尾族」と記していました。なるほど、尾の形に注目なんだ。「属」ではなく「族」としていることにも改めて気づきました。
こちらの個体は片方にラケットの付いたワイヤが残っていました。
カザリオウチュウはインドからインドシナ、中国南部、インドネシアに分布しています。インドではヒマラヤ山麓から北東部、中部と南部、スリランカ、アンダマン諸島の森に留鳥として見られます。ここで紹介した写真はいずれも、1月に南部のケララ州で出会った個体です。
インドでは、ケララと北東部のアルナチャル州で出会ったのみで、それほどよく合う鳥というイメージがないので、見かけるとうれしいです。特にラケットが付いた個体に出会うとものすごくうれしいのですが、そうした個体に限って、ラケットをひらひらさせて、森の中を素早く動く印象があり、じっくり見るのが難しいです。