鳥さん天国 -Chronicles of bird paradise-

野鳥大好き人間が暮らしたインドとインドネシアで出会った鳥たちを紹介しています。

Spot-bellied Eagle Owl ネパールワシミミズク (南インドの鳥その1)

インドとその周辺の国を含めたインド亜大陸は、面積の広さもさることながら、北と南、西と東でそれぞれ特徴のある自然環境が見られます。

このブログでは、インド亜大陸に比較的広く見られる鳥を17種紹介した後、前回まで、ヒマラヤ山脈に代表される北インドの自然に見られる20種の鳥を紹介してきました。

今回からは南インドの鳥を紹介します。
南インドは、ボリウッド映画で有名なインドの西のムンバイ付近からインドの西海岸に沿って南に延びる、西ガート山脈とその西の海岸との間の細長い地域をさします。アラビア海からの熱い空気と湿気が西ガート山脈にあたってモンスーンとなり、この地域に大量の雨をもたらし、豊かな熱帯林が見られます。
高原のニルギリ地方は避暑地としてにぎわうとともに、紅茶の山地としても有名です。

南インドではこの地域でしか見られない固有種も多いほか、東北インドとこの地域だけで見られるという変わった分布を示す鳥も何種かあります。

今回紹介するネパールワシミミズク Spot-bellied Eagle Owl (Bubo nipalensis)もそうした分布の鳥で、西ガートとスリランカ、そしてインド西北部で見られます。その他では東南アジアの熱帯林で見られます。

これが見られたのは、ちょうどニルギリのお茶畑付近をガイドとともに車で進んでいたところ、ガイドが友達からの情報で、面白い鳥がいるらしいとのことで立ち寄った森林保護区でした。保護区のレンジャーの案内で大木が密生する川原を探して歩きました。

そこで見えたのがこれ。
30m位の高さの大木のてっぺん近くの枝にとまっている一羽。
こちらを見下しています。


巨大な目!
薄い色の細い嘴。


全長63cmの大きなミミズク
巨大な水牛の角のような耳羽


白目になります。


太った白い腹には、シェブロン(山形模様)というか、ハート形の斑がたくさん。
脚の爪が強そう。キジの仲間や小型のキツネも餌にするそうです。


少し離れたところにもう一羽。
先ほどのは腹の色が白かったのに、この個体は褐色が混じってます。
幼鳥は全身が白っぽいというので、この2羽は成鳥と思われます。


アニメ映画の大トトロはこの鳥がモデルではないかと思いました。
森の王者にふさわしい貫禄があります。