鳥さん天国 -Chronicles of bird paradise-

野鳥大好き人間が暮らしたインドとインドネシアで出会った鳥たちを紹介しています。

Wallcreeper カベバシリ (北インドの鳥その20)

日本では、キバシリという鳥がいますが、北インドには、キバシリの他に壁走りという鳥がいます。

カベバシリ Wallcreeper (Tichodroma muraria)は、ヒマラヤで見られ、世界的には、旧北区、の山間の崖に生息しています。

キバシリが木の幹を採食場として特化しているように、カベバシリは、土や岩の露出した崖やコンクリートの建物や擁壁の壁に張り付いて岩の割れ目などにいる虫を探して餌としています。これも、他の鳥が使わないようなハビタットを利用できるように特化したことで、独特のニッチェを確立して進化を遂げたと言えるでしょう。

カベバシリを見たくて、見られるというところで何度もチャレンジしたのですが、なかなか見られませんでした。友人から、職場の英国統治時代に建てられた立派なコロニアル調のメインビルディングの壁に冬になると来ると言われ、そこも気をつけてみていたのですが、それもダメ。

職場の裏手にある川べりの崖でとうとう一羽のカベバシリを見ることができた時は、とてもうれしく、しばらくの間、時間があれば見に行ってました。


全長16cmの小さな鳥です。
こんな土の露出した崖を這いまわり、時には、ジャンプしたり、丸い羽根をゆっくりはばたかせながら、蝶のようにふわふわと飛んで崖から崖に移動します。橋の下の擁壁にも張り付きます。


全体が青灰色で、細くてやや下に曲がった嘴が特徴です。
雨覆と風切羽の付け根付近のワインレッドがきれいです。
でっぱりがあったのでちょっと座って一休みというところでしょうか。つぶらな瞳がかわいいです。


初列風切には、黒地に白い丸斑が2列ついています。


非常に長い足指と爪が壁を移動するのに役立ちそうです。


細長い嘴は、岩の割れ目の虫をほじくりだすのに向いてるでしょう。
嘴の付け根に細長い鼻孔が見えます。


冬になるとこのように白くなる喉は、繁殖期には黒くなります。