インドには、カッコウ属Cuculus が4種類いるほか、ジュウイチ属HierococcyxやカンムリカッコウClamator属、ナゲキカッコウCacomantis属などカッコウの仲間の種類が豊富です。
カッコウの仲間の鳥は、卵を他種の鳥に預けて雛を育ててもらう、いわゆる托卵を行うことで有名です。これまでその現場を見てみたいと思っていてかなわなかったのですが、インドで見ることができました。
7月のある日の昼過ぎ、裏の山に鳥見に行っての帰り道、道端のオークのあまり高くない林が気になり、車を降りて歩いていたところ、林内の低いところの枝にとまる黒い鳥を見つけました。
くっきりとしたアイリング、太い胸の横縞。
この時は種類がわからなかったのですが、地元の鳥の学識経験者やOBI掲載の写真などから、ツツドリ Himalayan Cuckoo (Cuculus saturatus)の幼鳥とわかりました。
と、ハイガシラムシクイ Grey-hooded Warblerがさっと飛んでき来て、加えていた毛虫を素早く食べさせました。撮影できたのは、餌を渡して去っていくハイガシラムシクイの後ろ姿と、もっとほしいという表情でそれを見送るツツドリの幼鳥。
ここら辺の山地では、夏にホッホッホッホッというツツドリの声を聞きます。ただし、日本のツツドリのように、2声の繰り返しではなく、4〜5声をセットで繰り返します。このように鳴き声が異なるということで、現在の分類では、日本のツツドリは、Oriental Cuckoo (Cuculus optatus)として、本種とは別種の扱いとなっているようです。