鳥さん天国 -Chronicles of bird paradise-

野鳥大好き人間が暮らしたインドとインドネシアで出会った鳥たちを紹介しています。

Purple Sunbird ムラサキタイヨウチョウ (インドの鳥その8)

インドに到着した日、デリー市内のホテルの庭で目についたのがこの鳥。ブーゲンビリアの花に来て蜜を吸っていました。いかにも南国という風景でした。

ムラサキタイヨウチョウ Purple Sunbird (Cinnyris asiaticus) です。インドのほぼ全域にわたって見られます。

全長10㎝ほどの小さな鳥で、オスはこのように全身光沢のある黒紫色をしています。
木のてっぺんにとまってチュリチュルチュルチュイチュイチュイと、長く転がすような声でさえずっているのをよく耳にします。そういう時は、黄色がかったオレンジ色のpectoral tuftという胸の飾羽が見えます。この飾羽は普段は羽の下にしまわれていてあまり目にしません。


光を反射してメタリックに輝きます。ホバリングして蜜を吸うこともあり、アメリカにいるハチドリのような鳥です。


エクリプスという換羽中の状態の時のオスです。メスのように上面はオリーブ色、下面は黄色く、のどから胸に青紫色の縦帯があります。


下に曲がった細いけれどもがっちりとした感じの嘴を花に差し込んで蜜を吸います。花にとっては花粉を運んでくれる大事な鳥です。


長くて細い舌を見せてオスが一生懸命さえずっています。


他の鳥の活動があまり見られない暑い昼日中でも、ムラサキタイヨウチョウが花の蜜を求めて飛び回っているのをよく見ます。見ていて楽しい鳥です。

イランからインド、ビルマ、タイ、インドシナに分布します。熱帯の留鳥でそれほど移動する鳥ではなく、これまで日本ではこの仲間の記録はないようです。こんな鳥が日本にいたら楽しいでしょうね。