インド編の序盤では、インドで普通に見られる鳥を紹介しています。
3番目の鳥は、ヒヨドリの仲間。Red-vented Bulbul (Pycnonotus cafer) シリアカヒヨドリです。
この鳥は、日本のヒヨドリと同様、人が住む環境に完全に適応していて、インドのほぼ全土で、人の手の入った林や市街地、住宅地に見られます。写真は家の近くの街灯にとまっているところです。
全長は20㎝。名前のとおり、赤い下腹の羽毛が特徴です。英語名のventは、排泄孔のことで、写真のとおり、その部分を覆う赤い羽毛がよくわかります。尾の付け根にある白い下尾筒との区別ができます。
ピヨッ ピヨッ と語尾を跳ねた明るい声が野原で聞こえます。その鳴き声は、be careful とか quick quick というような聞きなし(鳥の鳴き声を人間の言葉に例えること。日本の鳥では、ホオジロの「一筆啓上仕り候」、ホトトギスの「特許許可局」が有名。)がなされています。
頭には真っ黒の烏帽子をかぶっています。
飛ぶと腰の白がはっきりと出るのがこの鳥の特徴です。
高山や砂漠を除くインド全土とスリランカ、ビルマ、インドシナ半島に分布しています。また、ハワイなど熱帯太平洋の島にも移入種として定着しており、フィジーでも見られました。