タンジュンプティン国立公園のキャンプリーキーの森でキヌバネドリ2種を見て気分よくジャングルを出てクロトック(川船)に向かっていました。
木がまばらな灌木林でビービ―という声が聞こえました。声のほうを見ると、これまで見たことがない小鳥が枝で鳴いていました。ハナドリの仲間です。
黒い頭と黄色い腹、のどから胸に真っ赤なパッチがついています。
Scarlet-breasted Flowerpecker ベニムネハナドリモドキです。
黒、赤、黄がそれも原色でそろっている、なんとも鮮やかな色合いです。
こちらでは木の実を抱え込んでいます。実がかじられているので食事の途中のようです。
頭のてっぺんが見えました。わずかに細い小さな頭央線が見えます。夢中で木の実をかじっている感じです。
本当にきれいな小鳥です。
ベニムネハナドリモドキは、タイとマレーシアのほか、ボルネオ島とスマトラ島に分布しており、低地湿潤熱帯林を主なすみかとしています。準絶滅危惧種とされていて、熱帯林が荒れていくことが種の存続を脅かす要因のようです。ただ、この鳥はわりと適応性が強いようで二次林にも進出していることで絶滅危惧の度合いがまだ軽くて済んでいるようです。
今回見たような樹木の密度が低く草地に接しているような灌木林でも暮らせているようです。でもやはり本来のジャングルで見たいですね。
今回をもってインドネシアの鳥の紹介を終了します。改めて数えてみると、これまで79種類の鳥を載せました。1500種類も鳥がいるインドネシアは、本当に魅力的なところです。まだまだ行きたいところがたくさんあります。
次回からは、インドの鳥をご紹介していきたいと思います。インド亜大陸は約1300種類の鳥が記録されていて、こちらもインドネシアに負けず劣らず魅力的なところです。