鳥さん天国 -Chronicles of bird paradise-

野鳥大好き人間が暮らしたインドとインドネシアで出会った鳥たちを紹介しています。

Chestnut-bellied Malkoha (チャバラクロバンケンモドキ)(カリマンタンの鳥その4)

インドネシアのカリマンタン島、中央カリマンタン州にあるタンジュンプティン国立公園のハイライトはクロトックで普通の観光客が行く一番上流のオランウータン保護区キャンプ・リーキーです。

普通の観光客は森の中のオランウータンの餌付け場で餌をやるときに集まってくるオランウータンを見てクロトックに戻るのですが、バードウォッチャーはさらに森の奥を探索します。

今回からは、この森の中で見られた鳥を紹介します。

日本ではカッコウの仲間はカッコウ、ホトトギス、ツツドリ、ジュウイチという4種類ですが、インドネシアでは、そうしたいわゆるカッコウの仲間の他に、バンケンモドキ(Malkoha)といったカッコウ科の鳥たちもいます。カッコウの仲間は托卵の習性で有名で、卵を他の種類の鳥の巣に産み付け、雛を他人に育てさせますが、バンケンモドキは托卵をせず、自分で雛を育てます。

キャンプリーキーの森の中で、木の茂みの中で細かい枝を集めて巣を作っている Chestnut-bellied Malkoha チャバラクロバンケンモドキに会いました。


茂みの中で暗いのですが、緑色の長い嘴と長い尾がわかります。


目の周りが鮮やかなオレンジ色をしています。
その名のとおり、お腹が栗色をしています。


全長40㎝ほどのけっこう大きな鳥です。
チャバラクロバンケンモドキは、東南アジアのタイとマレーシアに分布し、インドネシアでは、スマトラとボルネオで見られます。

低地の湿った熱帯林の鳥です。こうした低地の熱帯林は、マングローブ林も含めて人の手が入りやすく、鳥の生息に適した森が失われやすい状況にあるため、チャバラクロバンケンモドキは、IUCN(国際自然保護連盟)のレッドリストでNear Threatenedとして生息が脅かされている状況にあるとされています。