クリンチ山を登って高さ2000mを過ぎたくらい、苔がついた木が多く、樹高もあまり高くなくなってきました。
葉の陰から何かがこちらをのぞいています。
かなり強い光を帯びた目が。頭がピンク色。
今回のターゲットの一つのPink-headed Fruit-Dove ベニガシラヒメアオバトです。距離は10mもないくらい。
おお、やっと全体が見えてきました。
ほぼ雲の中にいるようなものなので、あまり明るくないのですが、近くにいてくれるおかげで色もはっきり見えます。
脚の色は肉色です。
本当にきれいなピンク色をしています。
ピンク色の頭、胸は上から下にかけてピンクから黄色味を帯びた緑がグラデーションになっています。
そこに下が青黒く縁どられた白いネックレスがかかっています。
この白色は、胸のピンクや黄色っぽい緑色の羽の先が白くなっているものです。何ともデリケートな色合いの羽毛です。
ここまでピンク色が多い鳥を見た記憶があまりありません。真っ赤な鳥は結構いますが、フラミンゴを除くと、ピンク色の鳥はあまりいないのではないでしょうか。
身体の緑色との取り合わせも素晴らしいです。
葉の茂みの中にいるので見づらいのですが、近くにじっとしてくれているのでゆっくりとたくさんの写真を撮ってしまいます。
声は全く出しません。
眼の縁にとまっているのですごく気になるのでしょう。それどころか眼球にも触れているようです。よくじっとしていられるなあ。
おや下の瞼をぐっと閉じようとしてます。蠅が飛んでくれるかな。
Pink-headed Fruit-Doveはインドネシア固有の鳥で、1000m以上の高地にすみ、スマトラの他、ジャワとバリだけに分布します。
クリンチ山でこれをじっくり見られてとてもうれしかったです。
スマトラの鳥は今回までとして、次回からカリマンタンに移ります。