鳥さん天国 -Chronicles of bird paradise-

野鳥大好き人間が暮らしたインドとインドネシアで出会った鳥たちを紹介しています。

White-rumped Shama アカハラシキチョウ (インドの鳥その145)

インドの職場の森でたまに声を聞くけどなかなか姿を見られない鳥がいました。

アカハラシキチョウ White-rumped Shama (Copsychaeus malabarius) 

インドネシアでも声を聞くけどさっと見られてすぐ隠れるんで、撮影できませんでした。そんなアカハラシキチョウをやっと撮影できたのがこの写真です。1月でした。

 

雄のアカハラシキチョウです。

雄は、このように上面と胸が濃い青色、腹は赤褐色です。全長25㎝、長い尾がすらっとした印象を与えます。尾羽の付け根くらいにちらっと白い腰がのぞいています。メスの上面は灰色がかっています。

インドでは、南西部、東部、北東部、ヒマラヤ山麓に留鳥として見られます。学名の種小名malabaricusは、インド南西部のMalabar地方からつけられたのかもしれませんね。

世界的には、インドからインドシナ、インドネシアの良く茂った森林に見られるます。タイでは、よく見られるようです。

姿が美しく、声もとても複雑で美しいので、生息地では、飼い鳥として輸出するために密猟の対象となっているようです。

 

Streak-throated Swallow ズアカサンショクツバメ (インドの鳥その144)

11月のインド北部ウッタラカンド州の川に友人と鳥見です。水の上を飛び回る小さな鳥たちと撮影する友人。

橋の下に群がる小さなツバメたち。橋の下には泥でできたツバメの巣が張り付いています。

このツバメがこれ。

ズアカサンショクツバメ Streak-throated Swallow (Petrocheliden fluvicola)

全長11㎝の小さなツバメです。その名のとおり赤いキャップをかぶっています。喉から胸にかけて特徴的な細かい縦斑があります。小さな嘴と黒い目がかわいい。

こちらは前の場所の近く、季節はクリスマスです。電線にびっしりと隙間なくとまっているズアカサンショクツバメ。よくもまあ、これだけきっちり収まっているものです。

こちらは10月のインド中央部マハラシュトラ州。群がって巣作り中。上面はきれいな黒色です。

ズアカサンショクツバメはインドに留鳥として広く見られます。世界的にはアフガニスタンからインドにかけての割と狭い範囲に分布しています。

コンクリートに泥を張り付けて集団で巣を作っており、人工物をうまく利用しています。

 

Dusky Crag Martin インドチャイロツバメ (インドの鳥その143)

インドではツバメもいろいろいます。よく見られているのはこれ。

インドチャイロツバメ Dusky Crag Martin (Ptynoprogne concolor)

全長約13cmの小柄なツバメです。

職場の古い建物にとまります。

もう一羽来ました。かわいらしいです。

インドとインドシナ半島、中国南西部に分布。

インドでは留鳥として広く分布しています。

全体が暗褐色に見えます。尾羽は角尾で短く、白い丸い斑があります。

Common Cuckoo カッコウ (インドの鳥その142)

インドではCuckooが15種類記録されています。日本に生息するカッコウ、ホトトギス、ツツドリも含まれますが、ジュウイチはいないようです。

初夏の5月、北部ウッタラカンド州の標高2000mの山道を走っていると、向こうのヒマラヤスギのてっぺんで、カッコウ、カッコウという声が聞こえました。

カッコウ Common Cuckoo (Cuculus canorus)が気持ちよさそうに鳴いています。 

 

その2週間後、やはり同じところでカッコウが鳴いていました。この時は後ろ姿だけでした。

 

こちらは8月に、北西部のレイの標高3000m近い山道で、電線にとまっていたカッコウ。翼の部分にやや赤みがあります。頭部の縞々模様は若いオスでしょうか。

カッコウは、ヨーロッパからアジアの温帯にかけて広く分布しています。アラスカ西部の島にも夏見られるようです。インド亜大陸では、ヒマラヤの丘陵部で繁殖、そのほかの地域では主に冬に見られます。

インドで見られるカッコウは、亜種C. c. bakeriのようです。日本のカッコウは、C. C. telephonusとされています。

 

Coppersmith Barbet ムネアカゴシキドリ(インドの鳥その141)

今回はムネアカゴシキドリ Coppersmith Barbet (Megalaima haemacephala) です。

インド南部カルナタカ州での写真です。曇り空で光が良くなく、しかも枝被りですみません。

一応、成鳥の特徴的な額の赤と胸の赤い斑、目の上下の黄色い斑が見えます。

 

全長17センチの小型のゴシキドリです。トゥクトゥクトゥクと金属的で単調な声ですぐわかります。上面は緑色、下面は淡い灰色で縦の斑が見られます。

がっちりとして嘴はキツツキのように木をつついて穴を掘ります。

インドではほぼ全域とスリランカに留鳥で見られます。

世界的には、インドからインドシナ、フィリピン、スマトラ、ジャワ、バリにかけて分布します。このブログでも「ジャワの鳥その8」として、インドネシアジャカルタ市内で見た個体を紹介しました。そちらのほうが今回の写真よりもきれいにこの鳥の姿が写っています。よろしければそちらもどうぞ。

White-rumped Munia コシジロキンパラ (インドの鳥その140)

インド北部ウッタラカンド州の11月

水辺にこんな小鳥がいました。

コシジロキンパラ White-rumped Munia (Lonchura striata)

全長10~11㎝の小鳥です。水草が嘴にへばりついたようです。

暗茶褐色の上面と胸、下面の白とのコントラストが目立ちます。上嘴は黒色、下嘴は青灰色、上面には白い筋が入ります。尾羽は真っ黒です。

その名のとおり白い腰が見えました。

 

こちらはウッタラカンド州の別の場所で11月に会った個体です。やはり水辺でした。

コシジロキンパラは、インドからインドシナ、中国東部に留鳥として分布しています。

インドでは、北西部を除くインド亜大陸に留鳥として広く分布、スリランカ、アンダマン諸島にも見られます。いくつか亜種がありますが、今回の写真はヒマラヤ山麓と北東部の亜種L. S. acuticaudaと思われます。

コシジロキンパラはジュウシマツの原種です。ジュウシマツといえば、子供の頃友人から分けてもらった時に、私にもらわれるジュウシマツとの別れが悲しいのか、友人のところに残ったジュウシマツ達がチーチーと悲しそうに鳴いたのを覚えてます。家の庭のハコベを摘んで食べさせたりして育てたのですが、2階の窓に籠をつるしておいたら、学校から帰宅した時に、猫に殺されたことがわかり愕然としました。それ以来動物を飼ったことがありません。

Yellow Wagtail ツメナガセキレイ (インドの鳥その139)

前回に続きインドのセキレイをもう一種。

ツメナガセキレイ Yellow Wagtail (Motacilla flava)

インド亜大陸には5亜種が記録されていると図鑑に書かれてます。

これは一番普通に見られる亜種 Motacilla f. beemaと思います。

雄は淡い青灰色の頭、明瞭な白い眉斑、白い顎の線が黄色の喉と対比されます。耳羽は灰色か茶色です。

こちらはインドの首都デリー近郊の湿地で10月に見られた個体。

 

こちらは1月に北部のウッタラカンド州での個体。前のよりやや黄色みが強いです。

これが見られたところは住宅地に近い湿地ですが、ご覧の通りゴミだらけです。インドではこういう湿地が実に多いです。

 

ツメナガセキレイはヨーロッパからサハリンまで旧北区に広く分布して繁殖します。アラスカ西岸までいるそうです。

冬は熱帯地域に移動します。インドでは、スリランカ、アンダマンも含めて広く冬鳥として見られます。日本では数少ない旅鳥です。

大きさはキガシラセキレイ19㎝とされる一方、ツメナガセキレイは18センチとされてます。尾の長さの違いかもしれません。