久しぶりに北インドの鳥から離れて、インドに広く分布する「インドの鳥」のカテゴリーに戻ってみたいと思います。このカテゴリーでは、その17のIndian Silverbill ギンバシ以来で、2年ぶりくらいになります。
きのうアップしたのはインドではヒマラヤ地域だけに見られるクマタカでした。猛禽つながりということで、きょうはインドでは多く見られるハゲワシの中で、おそらくもっとも広く分布し、身近なハゲワシをアップします。
エジプトハゲワシ Egyptian Vulture (Neophron percnopterus) です。
インドのハゲワシの中で最も小さいハゲワシです。都市の近辺でも見られ、私は、観光客でごった返すタジマハールの上を旋回しているこの鳥を見たことがあります。
ヨーロッパ南部からインドにかけて分布しており、アフリカに広く分布しているので「エジプト」という名前になっているのでしょうか。
小さくとがった頭はユニークで、成鳥の白い体はすぐこの種類だとわからせてくれます。細い嘴も特徴的です。
こちらは少し若い個体でしょうか。くすんだ色をしています。
幼鳥はこのように黒い色をしています。
このハゲワシは、一見白いきれいな体をしていますが、Scavenger Vulture というありがたくない名前も持っています。
頭に白いきれいな羽毛があるのも「ハゲ」とはいえないハゲワシですが、これは牛の死体などに頭を突っ込んで食べる他のハゲワシとは食性が異なっているためと思われます。インドによくあるゴミ捨て場によく見られ、また、人間の排泄物をよく食べるそうです。庶民の多くが家にトイレがない生活をしているインドでよく適応していると言えます。